WEBサイトについて考えたこと

WEBデザイン全般について、よくあるTipsではなく、独自に考えたことを載せていきます

絵画教室のWEBサイトについて #1 / 生徒集めがコンバージョンとは限らない

幼稚園児から小中学生までを対象とした絵画造形・工作教室は全国にたくさんある。美大・芸大あるいは美術系の専門学校の卒業生が自営業で小規模に営んでいるところが多い。そういった教室では先生・スタッフの数はさほど多くない。となると、受け入れられる生徒の数には限りがある。

「より多くの生徒を集める」はコンバージョンには向いていない

そういった絵画教室のWEBサイトでは目的をしっかり検討しないといけない。他業種のWEBサイトと違って、体験・入会希望者など「より多くの生徒を集める」ことはコンバージョンには向いていない。教室を始めた当初はそれでもよいかもしれないが、教室運営がある程度軌道にのったらWEBサイトの目的を見直さないといけない。小規模ゆえ、あまりたくさんの生徒を相手にできないからだ。体験・入会希望者はすぐにキャンセル待ちとなってしまう。

WEBサイトの存在理由を「生徒を集める」ことに限定していると、すぐに「生徒の数が定員に達しましたので、体験受付は停止しています」とアナウンスを掲載し、体験希望申し込みのフォームも閉鎖(あるいはお問い合わせフォームに変更)するはめになる。

WEBサイトの存在理由

それではすでに生徒が多く在籍している絵画造形・工作教室のWEBサイトの存在理由はなんだろうか。

幼稚園児・小学生の生徒の場合、保護者が教室への送り迎えをするケースもあるが、子どもが何かを作っている間、保護者がつきっきりで見ていることはほとんどない。自分の子どもが教室でどのように過ごしているかわからない。そこにWEBサイトの存在価値の1つを見つけることができる。つまり、教室の様子をたくさんの写真とちょっとした文章でWEBサイトを通じて発信する。そうすれば保護者は自分の子どもや教室の雰囲気を知ることができる。

今いる生徒に注目する

生徒は辞めることもあるし、教室を開いている曜日やスタッフを増やすことで、生徒の募集枠を増やすこともあるだろう。その場合、体験希望申し込みのフォームを復活させるべきだが、いずれまたキャンセル待ち状態になってしまうだろう。だから絵画造形・工作教室のWEBサイトでは「生徒を集める」ことに主眼を置かないほうがよい。「未来の生徒」を考えることも大事なのだけど、それよりも「今いる生徒と保護者」に繰り返し見てもらえるWEBサイトとなること目指したほうがよい。

絵画造形・工作教室のリニューアルで考えたこと

筆者には茅ケ崎市で絵画造形・工作教室を営んでいる友人がいる。指導スタッフは2人の教室だ。2023年6月にWEBサイトをリニューアルしたのだが、そのとき、まさに体験希望を停止していた。そこで、生徒をたくさん集めるためのサイトではなく、生徒の保護者に教室の様子を知ってもらえるサイト作りを目指した。

保護者に自分の子どもが教室で時間を過ごしている様子を知ってもらうことを最優先にした。WEBサイトのトップに教室の様子を伝える日記ページへのリンクを、サムネイル写真と共に日付・曜日をつけて設置した。これで自分の子どもが通った日の教室の様子を知ることができるようになった。

筆者がリニューアルを手掛けた絵画造形・工作教室のWEBサイト