WEBサイトについて考えたこと

WEBデザイン全般について、よくあるTipsではなく、独自に考えたことを載せていきます

これからのWEBサイト制作について #1 / AI時代の新卒採用サイト

生成AIの進歩があまりに急速で、雨後の筍のように新たなAIツール・サービスが次々と誕生している。それらは文章や画像からプログラミングコードまで、何かを生み出す(生成する)ことに焦点が当てられている。しかしもう1つ、AIが得意とする力がある。それはテキストを要約する力だ。AIによる要約は今後、WEBサイト制作の在り方・ワークフローを大きく変える可能性を秘めている。

AIが新卒採用サイトに与える影響

とりわけ要約AIによる影響が大きいと思われるのは、企業の新卒採用サイトである。多くの場合、新卒採用サイトにはその企業で働く社員のインタビューが載っているが、このインタビュー・メッセージが長いのである。しかもインタビューは複数人分載っている。複数の社員による座談会をページに載せている場合もある。

就活中の多忙な学生は何十社もの企業を見比べる必要がある。それに加え昨今は「タイパ(タイムパフォーマンス)」が強く意識されている。就活中の学生が文量の多い社員インタビューや座談会を目にしたとき、内容をAIに要約させて済ます可能性は低くないと思う。

力を入れて作っても要約されてしまう

企業が本腰を入れて作った1,500字を超えるような濃密な社員のインタビュー記事は、悲しいことにChatGPTによって300字(あるいはもっと短いかも)に要約されてしまう。ボリュームあるインタビュー記事とそれを載せるページデザインにかけた多大な労力と時間は、AIによって無残にも無駄だったことにされてしまう。

社員インタビューをAIに要約させるとどうなるか

例えば、丸紅の採用サイトに掲載されている社員のインタビューは1,600字を超えている。

丸紅の社員のインタビュー(就活学生向け)

これをChatGPTで200文字程度に要約させると以下のような文章が返ってくる。

大学時代の移民問題研究とトルコ留学経験から総合商社に興味を持ち、丸紅に入社。採用過程での面接日程ミスで人事部の柔軟な対応に感銘を受ける。現在は丸紅フットウェアに出向し、子ども靴ブランド「IFME」のマーケティングを担当。靴のサイズ計測アプリ開発や直営店出店など新しい取り組みに挑戦。ブランド価値向上と組織強化を両立させることに注力している。

時間をかけて読むという労力を割かずに要点を知ることができる。

AIで要約されてしまうことを前提に考える

AIがこれほど爆発的に利用されるようになった前の時代に戻ることはないだろう。だとすれば、これからはWEBサイト制作者は作ったものがAIによって要約される可能性があることを前提として仕事に取り組まなければいけない。どうすればAIを使わずに読んでもらえるか、目を通してもらえるページになるのかを考えないといけない。例えば、社員インタビューや座談会を文章で載せるのをやめて、動画で伝えるのはどうだろうか。それもユーチューバーの配信する動画のようにカット割りが多くテンポよい短いものが良いと思う。

【おまけ】このブログ記事自体を要約させてみた

この記事自体をChatGPTで200字程度に要約させたら以下の文章が返ってきた。

AIによる生成技術の急速な進歩により、文章や画像、プログラミングコードなどの生成が注目を集める中、AIによる要約技術も重要視される。特に企業の新卒採用サイトでは、多くの社員インタビューや座談会が長大な文章として載せられており、就活中の学生にとって時間的負担となる。AIによる要約は、効率的に情報を取得する手段として期待される一方、企業側は長時間かけて作成した記事が短く要約されることに対する懸念も示される。今後、ウェブサイト制作者はAIによる要約を前提とした制作を考え、動画などの新たな手法を検討する必要がある。